男に嘘つかれたとかつかれてないとかの話

お前の好きも幸せにするも全部テキトーで責任なくて最高に無意味。私はそういう無意味が本当に大嫌いなんだよ。言葉に責任がなくて何も刺さらない響かない。そういう言葉は歓談曲のように耳を流すようにするりと通り抜けて消える。心地よくて、本当に無意味。

人間は言葉を選り好みしつつ、恐る恐る信じる。信じるのが怖い、怖いけど信じたい、信じる。そうしてようやく「意味」が生まれる。「成立する」というのか。人を動かすってそういうことだ。動かなきゃ駄目なんだ。何も進まない、後退もしない、そういう言葉は何にもなれず忘れ去られていく。伝わらないって言葉に失礼だ。非力で、可愛そうだ。

時折、かなり強靭な言葉で人を欺くことができる人間がいる。それを嘘という。嘘はだいたい嘘だとわかる。嘘だとわからない時もある。しかし、どちらにせよ確実な悪意がある。悪意がない人もいるらしいがそれはよくわからない。障害だか病気だか知らないが、良くないことなので頑張ってほしい。

 

私は、非力な言葉を過大評価したばかりに振り回される自分がいてそれに一番腹が立っている。馬鹿が。と自分に吐き捨てればそれも無意味な言葉として宙に舞って消える。むしろ消えてほしい。結果として無意味だった、それを嘆くのが本当に無意味でみっともなくて嫌になる。


「ねぇ、どのくらい本当だった?」

泣きたくなる。語りかける相手はいない。誰もいない空間にポツリとぼやくのだ。

全部嘘じゃないよね、だって、私信じたんだよ。その時一瞬でも、信じたんだよ。


本当に意味がない。あなたが言葉に乗せた意味、そしてその重みは私にはわからない。ただ、そのことについてむしゃくしゃとして悶々と考え込む時間すら無意味で馬鹿馬鹿しくて、かっこわるい。


無意味な言葉をたんまりとまとった私はいつか本当に「意味」を引き寄せ、この手で掴むことができるのだろうか。そして、誰かを諭し、「意味」を与えることができるのだろうか。


私が選んだ言葉が、意味のある言葉として世に残り続ける。残すために今までもこれからも生きていく。

 

私のポリシーを滅茶苦茶に貶した罪は、人知れず、ひっそりと重い。

 

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